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勝負
升田 幸三

勝負

価格:¥ 720
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人気ランキング : 65279位
定価 : ¥ 720
販売元 : 中央公論新社
発売日 : 2002-09

含蓄溢れる言葉の数々

羽生善治は著書『決断力』(角川oneテーマ21)で、過去の棋士のなかで是非対局したいのは”升田幸三”であるとコメントしている。
何でも囲碁は指したことがあるそうだが将棋を指すことはとうとう無かったらしい。

升田幸三著『勝負』(中公文庫)は、自分の生い立ちや、将棋にまつわる話などをエッセイ風に書きつづった書である。若いときから将棋の世界に飛び込んで、将棋一筋に打ち込んできた人の人生訓には、重みがあるし、元来個性的な人だっただけに、独特の”含蓄”を感じる。
いまなお読んでも、けっして色褪せないし示唆に溢れている。
なんど読み返してみても、升田の語る言葉は自分のハートにいまなお響いてくるのだ。
魅力的な多くの言葉のなかから、いくつか引用してみたい。

「人生というのは、一手違いだと考えているんです。(中略) その一手の差を慎重に、そして最善をつくす人が”勝ち”にゆくわけで、一手ぐらいなどといって、気楽にしとるやつが、結局は敗北につながる。」

「文章でいえば、なるほど書いている人は血へどが出るほど苦しんで書いている。が、出来あがったものに、その苦しみだけしか出ていない作品は、もうひとつってものじゃありませんか。いのちがけで書いたが、そのいのちがけのなかに遊べるという境地に達したとき、読む人にもまた楽しさが伝わる、そういうのがホンモノだろうと思います。」

「人間は、その所作にその人の雰囲気というものが出てくるものです。そしてこれに、力のあるなしが出てくる。(中略) これは、天がそのひとにあたえたものじゃなくて、修練によるものだと思う。(中略) 人間はだいたいは修練じゃないですか。」

座右の書

どのような道でも、一つの道を極めた人間の哲学は普遍的な輝きがあります。かつて寺山修司は、「人生は競馬の比喩だ」といいましたが、この本は将棋界に一時代を築いた升田幸三が人生を将棋に例えて語っています。その内容は非常に含蓄に富み、深い味わいを与えてくれます。
特に私が印象深かったのは、「いのちがけと遊びの境地」という部分です。升田は、「将棋というのは、勝負であるけれども、やはり娯楽であり、遊びのものである。とすれば、そこに厳しさがあり、鋭さがあっても、何か楽しいものがなければならない」といいます。そしてそれは、文章などの創作の世界にも通じていて、真剣勝負の文章のなかに遊びの境地があれば、読む人にもその楽しさが伝わる、そういうものが本物だ、と続けます。
この文章を読んで、様々な方面に想いを馳せました。ここではふさわしい例えではないかも知れませんが、犯罪を犯した者を徹底的にたたくだけではなく、そこに人間の生のリアルな側面を見て、どこかに救いを見出してやる、というようなことも必要なのかなあ、とおぼろげながらに考えました。
他の文章も、読めば必ず考えさせられます。この本は私の座右の書として、本棚の一番目立つとところに置いておくつもりです。

稀代の勝負師が人生を語る

升田幸三は稀代の勝負師として、大山康晴との名勝負で世を沸かせた人物としても、また個性的な人生観の持ち主としても有名であった。その升田が自分の人生を語ったのが本書であり、期待を裏切らない内容であった。特に14歳の時に母親の物差しの裏に書置きを残して家出してから波乱の人生を過ごし、名人のタイトルを獲得するまでと、勝負についての升田哲学を述べる部分が特に面白い。また将棋人生で出会ったさまざまな人物を升田の目から見た内容も興味を引く記述が多い。ただ後書きで本人が述べているように、本書執筆の当初の意図が、若いサラリーマンに読んでほしいということだったようで、そのため将棋の考え方をサラリーマン人生に当てはめようとした前半は言わずもがなの部分が多々見受けられる???読者がそれぞれ自分の人生に照らし合わせて異なる感慨を持たせる方がかえって効果は大きかったのでないかと思われる。この点を考慮して星4つとしたが、幅広い年代の読者に訴える内容を持った良書である。

今日流行る浅薄な自己啓発本を一蹴する、豪快至極な一冊。

1970年に新聞紙上に連載された、故・升田幸三名人のコラムの文庫化。「若いサラリーマンに読んでもらいたい」とのあとがきがある。将棋の専門的な話はなく、このゲームを知らない私にも楽しめた。平明な口述体のなかで語られる逸話とそれらの示唆するところに学ぶことは多い。書名の「勝負」とは、近ごろの「勝ち組」「負け組」という陳腐な意味にあらず。今日流行る浅薄な自己啓発本を一蹴する、飽かせず読ませる豪快至極な一冊。

いわゆる升田節なんですね〜

読み終わって、「あとがき」の最後に昭和45年10月とあって驚いた。全く古臭くないんです。むしろ新しい。
将棋関連の本独特の盤面を用いて解説する箇所はたしか1ページもなかったし、淡々とご自分の言葉で語っておられる。(広島弁?)まさにご本人に話しかけられているような錯覚に陥って一気に読み終えました。男とは、女とは、そして勝負とは・・・。やはりなんの分野にしても、その道を極めた人の言うことは全ての人に通じると思います。
特に男性には必見の書じゃないですか?


売れ筋商品
このページの情報は
2006年9月7日2時49分
時点のものです。

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